鍼灸マッサージ施術における 新型コロナウイルス感染防止ガイドライン
災害支援鍼灸マッサージ師合同委員会 DSAM(ディーサム)
(公社)日本鍼灸師会災害対策委員会
(公社)全日本鍼灸マッサージ師会スポーツ・災害対策委員会
《はじめに》
令和元年 12月に中国湖北省周辺で発生した新型コロナウイルス感染症は全世界的かつ急激な勢いで感染者数が増加し、我が国では4月7日、緊急事態宣言が7都府県に発出されたが、同16日には全国に拡大された。このような状況下で、施術において新型コロナウイルス感染から施術者、スタッフや患者を守るために、以下の感染防止ガイドラインを作成した。
【院内施術の場合】─────────────────
《始業前》
●スタッフの検温、体調チェック(感冒症状の有無など)をおこなう。
●スタッフ同居家族の健康状態を申告してもらう。
●感冒症状があるスタッフや新型コロナウイルス感染症疑いの同居家族がいる場合は業務をおこなわない。
《待合室》
●鍼灸院入り口に、発熱や咳など感冒症状のある方は施術できない旨掲示し、入室を回避する。
●必ず予診をおこない、下記に該当する場合は施術をおこなわない。
・発熱(37.5度以上)または呼吸器症状 + 暴露歴:新型コロナウイルス感染症であることが確定した者と濃厚接触歴がある
・発熱(37.5度以上)かつ呼吸器症状 + 暴露歴:発症から2週間以内に、流行地域に渡航又は居住していた(又はその者)と濃厚接触歴がある
・発熱(37.5度以上)かつ呼吸器症状 + 入院を要する肺炎が疑われる
注1、注2
医師が総合的に判断した結果、新型コロナウイルス感染症を疑う
注1:従前の集中治療その他これに準ずるものに限らず、入院を要する肺炎が疑われる者を対象とする
注2:特に高齢者または基礎疾患がある者については積極的に考慮する
◎解熱剤・総合感冒薬等を服用している場合もあるので留意する。
◎新患(日常生活パターンや行動範囲が把握できない患者)の受け入れには特に注意する。
●発熱や咳など感冒症状のある方は、適宜、保健所や適切な医療施設での診察の受診を促す。
●予診・問診の際は必ずマスクを着用する。
●室内で患者同士が十分な距離(1.8m以上)を取れるように調節する。(例えば予約制にし、来院時間を調節する等)すなわち複数の患者が同じ空間に一定時間居ることを回避する。
●窓の開放や換気扇を使い、室内の換気を頻繁におこなう。
●室内に手指(しゅし)消毒剤を配置するのが望ましい。
《施術中・施術後》
●マスクは必ず着用する。患者にもマスクを着用させるのが望ましい。
●一人の施術者で同時に複数の患者に施術をおこなわないことが望ましい。おこなう場合は、施術患者を交替するごとに、手洗いと手指のアルコール消毒を徹底する。
●施術後は、リネン(タオル等)の交換を1人ずつおこなう。
●窓の開放や換気扇使用による室内の換気を頻繁におこなう。(最低でも1時間毎)
●必要なら患者の高頻度接触部位に清拭(せいしき)による消毒(※)をおこなう。
※アルコールあるいは0.05%の次亜塩素酸ナトリウムを使用する。
●施術前、施術後の手指洗浄・アルコール消毒を徹底する。
《終業後》
●窓の開放や換気扇使用による室内の換気をおこなう。
●待合室内のイス、テーブル、備品、ドアノブ、手すり等の清拭による消毒をおこなう。
●治療室内のベッド・器具等の清拭による消毒をおこなう。
●リネン類・白衣等は毎日交換、洗濯する。
【往療の場合】───────────────────
《始業前》
●スタッフの検温、体調チェック(感冒症状の有無など)をおこなう。
●スタッフ同居家族の健康状態を申告してもらう。
●感冒症状があるスタッフや新型コロナウイルス感染症疑いの同居家族がいる場合は業務をおこなわない。
●事前に患者の健康状態・感冒症状の有無、同居家族の健康状態を把握しておく。
●感冒症状がある患者や新型コロナウイルス感染症疑いの同居家族がいる場合は訪問しない。
●発熱や咳など感冒症状のある方には施術をおこなわず、保健所や適切な医療施設での診察の受診を促す。
●訪問前に必ず手指(しゅし)洗浄・アルコール消毒をおこなう。
《施術中・施術後》
●マスクは必ず着用する。患者にもマスクを着用させるのが望ましいが、無理はさせない。
●同一建物など一人の施術者で同時に複数の患者に施術をおこなう場合は、一施術につき、手洗いと手指(しゅし)のアルコール消毒で次の患者に対応する。
●施術後は、リネン(タオル等)の交換を1人ずつおこなう。
●窓の開放や換気扇使用による室内の換気を頻繁におこなう。
●必要なら患者の高頻度接触部位に清拭(せいしき)による消毒をおこなう。
●施術前、施術後の手指洗浄・アルコール消毒を徹底する。
●玄関のドアノブを閉めた後、もう一度手指消毒をおこなう。
※現在、介護保険施設などでは、利用者家族の面会を中止しているところが多くあります。施設側から玄関で検温、体調の聞き取り、訪問時間、サインなどを求められることがありますので、素直に従うようにして下さい。また、往療を断られる場合がありますが、施設利用者の命を守る行動に理解を示して下さい。